道路を走る車の音。外のお店のライト。車の中の空気を感じる。
ふと思い出す。
大島で迎えたクリスマスの夜。
冷たい風を頬に感じながら、玄関先に立ち、讃美歌を歌う。一軒ずつ、教会の関係者の家を回って、歌う。メリークリスマス!
暗闇の中でキャンドルの光を見つめていると、天使は本当にいるのではないかと、神聖な気持ちになる。
空には無数の星が、きらきらと輝いている。この星の光は、何万年も前に宇宙の空間に放たれた光。長い年月を経て、いま私の目に入ってきている。
いや、もしかしたら、ずっとそこにあったのかもしれないし、仮に意識が作り出しているのだとしたら、今まさに生まれている、とても新鮮な光なのかもしれない。
過去というのは概念だけで、じつは今だけがあるのかもしれない。
あの大島で見た星空も、私の脳内で再生されている、まさに今、ここに存在しているのかもしれない。
私は死んでも、わたしとして残るだろう。肉体がなくなっても、意識のわたしは残るだろう。
芸能人の悲しいニュースを聞いた時、そんなふうに思った。
肉体は死んでもわたしは消えない。永遠のいのちである。
そのいのちの中で、星空が展開していく。
忙しそうに歩いていく人が見える。外は暗く、風は冷たい。
今夜はクリスマスイブ。みんなが幸せに過ごせたらいいなと思う。
メリークリスマス!!