空が薄い水色で、うっすらと白い雲が浮かんでいる。
飼っているチワワが水を飲む音と、外の車の音が聞こえてくる。
静かな午後の空気を感じて、お腹もいっぱいで、のんびりと幸せな気分を味わっている。
もうすぐ長女も中学生。
制服の注文の案内が来た。
制服、懐かしいな。自分の制服は赤いラインが入ったセーラー服だった。
スカートの折り目が崩れるので、布団の下に敷いて寝たことを思い出す。
あれからもう25年たつ。
まだまだ若いような気でいるけど、もうしっかり大人だな。
そんなことを考えると、なんだか笑えてくる。
いろいろ心配したけど、しっかりと大人になっちゃったな、というか、大人になれちゃった。
案外、かんたんに大人になれたなと思う。
年を重ねることって、大変そうに見えて、大変なことでもないのかもしれない。
時間の流れは、案外早いのかもしれない。
自分が年をとったことは、肌の状態とか体の痛みで感じることが多い。
心や考えていることは、全然変わっていないと思う。
自分自身も、年をとった自覚があまりない。
それで、いいのかもしれない。このぐらいの感覚で、いいのかもしれない。
自分は特別かもと思っていたけど、そう思っていること自体が普通の証拠だったりして。
こうやって、これから先も着実に年を重ねていくだろう。
家の壁紙の色が少しずつ焼けていくように。白髪が少しずつ増えていくように。
自分自身の経験も、少しずつ積み重なっていくんだろうとおもう。
そんな毎日が、大切に思える。
これから、いろんなことがあると思うけど、それで大丈夫そうな気がする。
流れのままに、流されて、溺れそうになりながらもしがみついて、そうやっていけば良い。
それも楽しいんじゃないかなという気がしてくる。
雲が流れるように。星が動くように。太陽が回るように。
地球も自分も、いつも動いている。その動きの中にいる。
自分も自然の一部なんだ。
そんな今を楽しんでいこうじゃないか。
ふと時計を見ると、30分ほど経っていた。
さて、これから何しよう。